2021/08/31 11:52
円柱型の糸魚川翡翠を使ったペンダントです。
糸魚川翡翠の業者さんが手磨きで研磨した、色と形がなんとも可愛らしくて、だけど石留めが難しいルース、ついついまとめ買いしてしまったものから、前回10個を縦向きペンダントトップに作りましたが、まだまだ残ってます。(笑)
相変わらず、翡翠に穴を開けたり、接着剤を使ったり、どうしてもしたくない私は、今度は前回よりも少し太いルースを横方向に使ってみようと、前回のコインフレームの応用以外に方法はないかと、貴金属加工のベテラン職人である教室の講師に相談しました。
前回と同じ方法以外であれば接着、と即答されました(ですよね)ので、前回と同じ方法で仕立てることにしました。
作成技法は今回も鍛造(たんぞう)です。金属を切ったり削ったり曲げたり延ばしたりと直接加工して部品を作り、部品の繋ぎ目にロウと呼ばれる低融点合金を溶かして繋げて(ロウ付け)おります。
また、こちらの翡翠ルースは研磨専門職人ではない石屋さんの手磨きによる研磨なので、前回同様相変わらず、円柱の形が微妙にずれていたりと研磨の精度がちょっと残念なため、石それぞれの形に添わせて部品を作って組み立てるのに手間がかかりました。実は、こういう別々のパーツとパーツを平行に橋渡しする組み立ては、出来上がりがシンプルなので簡単そうに見えますが、組み立てが歪みやすくて結構大変なんです。
今回は、石を横向きに使いますので、両側を蓋で押さえて、蓋が横から見えることから、蓋に装飾用の透かしを入れることにしました。石が見える面積をなるべく広くするために柱を3本にして、その3本の柱の延長に蓋押さえの爪をつけるので、透かしの図案の配置は、収まりよく3の倍数で考えてみました。また、糸魚川翡翠は原石が川の上流から海へと流されてくるので、川や水と関係のある図案がいいだろうと、「鱗」で三つ鱗、「巴」で三つ巴にしてみました。鱗紋は魔除けの三角形ですが、蛇の鱗として考えると、川を蛇や龍に例えたりしますよね。巴は、水が湧き出す様子を表しているとも、古代人が翡翠で作っていた勾玉の形とも、言われます。どちらも、銀の板に直接ドリルで穴を開けて鋸刃を通し、糸鋸で切り取っています。
石を横方向に使うため、バチカンをつけるよりもチェーンを横から直接伸ばした方が収まりがいいと思い、チェーン一体型にしております。ちょっとセントバーナードのラム酒の樽っぽくもあります。
チェーンの取り外しができない代わりに、チェーンの太さや長さや留め金具、チャームなど、オプションでチェーン部分の各種カスタマイズに対応いたします。つまり1点ものなのにセミオーダーです。アジャスターチェーンのエンドパーツに至っては、透胎七宝をお選びいただきますとワンポイントですが1点ものとして手作りいたします。カスタマイズの組み合わせをご存分にお楽しみください。