2022/12/06 15:07

4mmラウンドと4.2〜4.8mmラウンドのお仕立て用ルース、いくつか新入荷いたしました。

ちなみに、一般のお客様はあまり意識されてないと思いますが、ルースのサイズには、規格サイズロット品としての流通量が多いものと少ないものがあります。
ラウンドカット以外は縦サイズと横サイズの組み合わせがあって話が複雑になるので、今回はラウンドカットに絞ってお話しします。

ダイヤモンドにつきましては、ルースの直径そのものよりも、平均1カラットの何分の1か、でメレダイヤの大きさが規格されている場合が多いです。そして、ダイヤモンドはカットの基準が決まっているため、カラット数でほぼサイズも決まります。平均0.何カラットだと直径何.何mm前後とか。

ダイヤモンド以外の色石につきましては、カットの基準が決まっておらず、どちらかというと原石からの歩留まり重視なので、カラット数ではまずサイズは決まりません。同じロットの複数の色石ルースを横からご覧になったことがおありでしたら、パビリオンにしろクラウンにしろ、色石の厚みがバラバラなのをご存知かと思います。それだけ厚みに差があれば同じ直径であってもカラット数がバラバラになりますよね。ですから、規格は基本的に、カラット数よりも直径何mmで示されます。
色石での規格サイズの基準は、まずは整数値mmです。ダイヤモンド用の空枠の使用を大前提にしていたり、大量の原石がたまたま中途半端なサイズにピッタリだったり、研磨業者や販売業者に並々ならぬこだわりがあったり、今時珍しくメートル法以外を採用したりでもない限り、最初から端数サイズを基準にすることは少ないです。
そして、小さいサイズでは小数点以下の端数mmサイズでのロット規格がある程度期待できます。小さいサイズではサイズに対する端数mmの差の割合が大きいからです。また、このときの端数は、0.75mm、0.5mm、0.25mm、0.2mmのように、1mmに対する分数で表せる数字であることが多いです。
一方で、大きいサイズでは、サイズに対する端数mmの差の割合が小さくなるので、細かい規格を設ける費用対効果が低くなります。したがって、ある程度の大きさから、端数サイズの流通量がグッと減って整数値サイズ展開が増えます。更にサイズが大きくなると、1mmごとの大きさの差も割合が小さくなることから、2mmごとのサイズ展開が増えます。
おおよそ、4mm過ぎたあたりから端数サイズが減り、10mm過ぎたあたりから段々奇数サイズが減り始める、という場合が多いです。

こういった傾向から外れる例外サイズにつきましては、研磨業者がわざと特殊サイズを作っているか、ロット品ではなく1点ものか、になるため、流通量が少なく探しにくいことに加えて、流通量の多いサイズよりも割高になる場合もあります。
ルースをお探ししてのお仕立てをお考えの際は、デザインとのバランスを考える際に、サイズごとの入手のしやすさを加味すると、作業がより円滑になる場合もありますので、ご参考にどうぞ。

とはいえ、どれだけ流通事情が分かっていても、デザインとのバランスとして、どうしても、4mmでは小さ過ぎて5mmでは大き過ぎる、中間のサイズが欲しい、ということもあり得ます。
今回、4.2〜4.8mmラウンドを仕入れたきっかけも、デザイン的にどうしても4.5mmでないとしっくりこない、というご要望をいただいて、お探しした、という経緯です。
特殊サイズに加えて、世界情勢と円安の影響で、オールドストックに比べるとどうしても割高にはなっておりますが、デザインとのバランスを考える上での選択肢としてご利用ください。

ちなみに、4.5mmで探したはずなのに今回4.2mmや4.8mmがあるのは何故か、ですが、色石のカットの精度の問題で、しばしば、厚みどころかそもそもの直径も誤差が大きかったりするからです。下手すると商品本来のの表記サイズよりも外れサイズの方が割合が大きかったりします。色石あるある。

どうぞよろしくお願いいたします。