2023/03/01 17:09

崩し字変体文字チャームパーツ「仮名手本(かなでほん)」と、仮名手本を取り付け可能なソリティアデザインリング腕2種「阿吽(あうん)」「伊呂波(いろは)」、セミオーダー販売開始いたしました。

変体仮名とは、仮名文字(ひらがな、カタカナ)の代わりに漢字を使う、書き方です。江戸時代以前の古文書によく書いてある文字のあれです。
こちらの「仮名手本」は、ひらがなの元になった漢字の崩し文字をモチーフにした、旧仮名遣い含めて48文字対応の、チャームパーツです。知らずに見ると、何かの文字のようにも、単なる不定形デザインにも見えますが、ひらがなだと知った上で見ると、ひらがなに見えてきますので、シークレットメッセージデザインとしてもご利用いただけます。
ソリティアデザイン腕「阿吽」や「伊呂波」に取り付けるほか、単独でのペンダントやピアスなどへの加工にも対応できます。
デザイン名「仮名手本」とは、いろは歌を平仮名で書いた習字の手本、 いろは歌、のことです。
ひらがなの元になった漢字の変体仮名をモチーフにしたことに因みました。

大きめリングトップの幅広デザイン、ソリティア用リング腕です。
「仮名手本」用のリング腕として作成しましたが、その他の地金モチーフや石枠にも対応できます。
デザイン名「阿吽」とは、万物の始めと終わり、吐く息と吸う息、のことです。
「仮名手本」を取り付けることを想定したデザインのため、五十音の最初の「あ」と最後の「ん」にちなんでいます。

幅の狭いデザインの、もう一つのソリティア用リング腕です。
こちらも、「仮名手本」用のリング腕として作成しましたが、「阿吽」と同様に、その他の地金モチーフや石枠にも対応できます。
デザイン名の「伊呂波」とは、いろは歌、いろは仮名、特に稽古事などの物事の初歩、のことです。
「仮名手本」用にデザインしましたので、かな文字の並べ方の代表である、いろは歌にちなみました。

こちらは、文字をモチーフにしたデザイン展開です。

イニシャルジュエリーなど、文字モチーフのものは、英語(ラテン文字)のアルファベットのものがよくあります。アルファベットですと、大文字か小文字のどちらかに限定すれば最低26種類あれば済みます。
一方で、同じ文字モチーフでも日本語の文字のものは、アルファベットに比べて見かける機会が少ないです。それは、文字の種類が多いから、作るのが大変だからです。
現代仮名遣いの仮名文字に限定したとしても、ひらがなかカタカナのどちらか片方だけで46種類あります。アルファベットの倍近いです。漢字に至っては、常用漢字だけでも2136種類です。ですので、日本語文字モチーフは、あったとしても、文字単独のモチーフではなく、限定された単語モチーフがほとんどです。

こういう、種類が多くて作るのが大変、というのは、最終的な製品を作るところだけでなく、原型作りも、型取りも、注文対応も、在庫管理も、全部にかかってきます。

大変なことがわかっていても、今回、どうしてもひらがなでやりたかったのは、母語の文字だからです。
自分が生まれ育った中で慣れ親しんだ、文化というものは、自分の根底を形作る、かけがえのないものです。もちろん、どんな文化にも、いい面だけでなく悪い面も当然あって、全てが素晴らしいというわけではありません。それでも、悪い面があったとしても、かけがえのないものです。そして、文化の1番の根底が、言語です。
ですから、なんとかして母語である日本語の文字をモチーフに商品展開できないか、と考えて、今回、変体仮名に行きつきました。

そして、種類が多くて作るのが大変、という点で、今回、原型作りと型取りですこしだけ工夫した点があります。
リングに取り付けることは最初から考えていましたので、リングの曲面に合うよう、文字パーツにも最初から曲面をつけることにしました。その際に、文字1個ずつ原型を作るのではなく、大きなリング状の土台を8等分したところに文字を当てはめて、1つの原型で文字を7個分ずつ作ることにしました。そうすると、旧仮名遣い含めた48文字が、原型7個で賄えます。
ちなみに、土台を8等分しておいてなぜ文字を7個しか入れないのか、は、余った1個分は鋳造の際の湯道を取り付ける場所として空けておくためです。

そんなこんなで出来上がった「仮名手本」、どうぞお楽しみください。