2024/08/07 14:55
このたび、思うところがあって、思い切って古物商許可を取得いたしました。
ジュエリーリフォームの際に、古物商を持たないと、下取り可能な条件範囲が限定されます。
これが、古物商を持っていると、下取り可能な条件範囲がぐっと広がります。
リフォームをお考えの際は、是非ともご用命いただけますと幸いです。
とまあ、こう書くと、リフォーム対応のために取得したような印象になりますが、実は1番の目的は別のところにあります。
昔は作られていた、昔は採れていた、いろいろなものが、現在、さまざまな理由で作られなく採れなくなって、流通が減って新品での入手が困難になっています。
新品で仕入れできなくてどうしても入手したければ、古物で探さざるを得なくなります。
たとえばベビー真珠(ベビーパール)。
ベビー真珠とは6mm以下の小さな真珠のことです。
大ぶりの真珠とは違う、可愛らしさが魅力で、根強い人気があります。
弊店でも、かなり以前に偶然入手した3mm前後のものを、ベビーリング用にご用意しています。
このベビー真珠ですが、小さいからといって作るのが簡単なわけではなく、大きな真珠と同じかそれ以上の手間がかかっています。
そして、特に国内のあこや真珠では、近年の海洋環境の変化や養殖職人の後継者不足から、小さいのに手間がかかるベビー真珠は「やってられない」と、どんどん作られなくなっています。
そうするとどうなるか。供給が減っても需要が減らないなら、そりゃあ高騰化します。
今、ベビーあこや真珠の新品をまともに買おうとすると、1粒1000円でもお買い得な方です。1粒ですよ1粒。
このお値段だと、ワンポイントで使うならまだいいですが、ネックレスに仕立てようとなると大変なことになりますよね。
淡水真珠では、別の理由でベビーサイズが作られなくなっています。
淡水真珠の主要産地である中国が、大粒の方が儲けが大きいと、小さいものを作らなくなっているのです。
なので、淡水真珠そのものはたくさん作っているのに、小さいものばかりが手に入りにくくなっているのです。
今、ベビー真珠をお持ちのお客様は、どうかお手持ちのものを大事にしてください。
それ、すごく貴重なお品です。
というわけで、将来的にベビー真珠が新品で完全に出回らなくなった時に、中古で探す必要が出た時の準備として、早めに古物商を持っておこうかな、と。
これは真珠だけの話ではなくて、他の宝石やその他の素材でもあり得る話です。
真珠のように作り手側の事情がある場合や、産地での紛争などの流通上の環境要因、鉱脈が枯渇して鉱山が閉山するなど地球規模でどうしようもない場合もあります。
予想されうる今後の変化への対応に、少しでも準備するための、弊店の古物商許可取得なのです。